Voyagers Ensemble|来日コンサートの録音・映像収録|穂の国とよはし芸術劇場PLAT

穂の国とよはし芸術劇場PLATでのVoyagers Ensemble来日コンサート。フルハウスがホール録音・映像収録を担当

イタリアを拠点に活動する Voyagers Ensemble の来日コンサートが、穂の国とよはし芸術劇場PLATにて開催されました。
このコンサートの録音・映像収録から編集・仕上げまでを、フルハウスが担当しました。

穂の国とよはし芸術劇場PLATのステージで歌うソプラノとピアノ伴奏、スポットマイク
本番のステージ。ソプラノにはスポットマイクを1本立てた

公演 Voyagers Ensemble 来日コンサート
日時 2024年7月12日
会場 穂の国とよはし芸術劇場PLAT(愛知県豊橋市)

出演
ソプラノ ゆう子 ボヴェーリオ
サックス奏者 ステーファノ ボヴェーリオ
ピアニスト ダミアーノ マリア カリッソーニ

プログラム(公開されている楽曲より抜粋)
A.ラーラ「グラナーダ」
A.モッリコーネ 映画「ニュー シネマ パラダイス」より「もし」
V.モンティ「チャルダシュ」
G.プッチーニ「ある晴れた日に」(歌劇「蝶々夫人」より)
團 伊玖磨「紫陽花」 ほか

目次

「記録に残しておきたい」というご相談から

ご相談をいただいたのは、公演の準備が進んでいる段階でした。

イタリアから来日しての自主公演です。
ホールは客席200席ほどの規模。
チケット収入で公演の費用をまかなう計画で、収録に使える予算には限りがありました。

それでも「この公演を記録に残しておきたい」というご希望がありました。

フルハウスは、こうしたご相談を数多くいただきます。
規模の大小にかかわらず、まず伺うのは「何のために残すのか」です。
記録として手元に置くのか、公開して多くの方に届けたいのか。
そこが決まると、必要な構成が決まります。

今回は「YouTubeで公開できる作品として残す」ことがご希望でした。

ご提案:カメラの構成を変えた2つのプラン

収録プランは2案をご用意しました。
違いはカメラの台数です。

  • プランA:カメラマンが操作する有人カメラを3台
  • プランB:有人カメラを1台にして、残りを固定カメラでカバー

有人カメラは、演奏に合わせてズームやパン(カメラを左右に振る操作)ができます。
その分、見ごたえのある映像になります。
ただしカメラマンの人数がそのまま費用に反映されます。

一方で、録音についてはどちらのプランでも構成を落としませんでした。

映像は台数を減らしても、引きの画で成立します。
しかし音は、録り逃すと後から取り返せません。
演奏そのものが残るかどうかに直結します。

今回はプランBを選んでいただき、固定カメラを増やして角度を確保する形で進めました。

収録プラン:マイク10本・カメラ10台

当日の構成は以下のとおりです。

音声:マイク10本

  • 吊りマイク 4本(ホール全体の響きを収める)
  • ステージマイク 2本
  • スポットマイク 4本(ソプラノ1本・サックス1本・ピアノ2本)

クラシックの収録では、吊りマイクが土台になります。
ホールの響きを含んだ、客席で聴こえている音に近い音が録れるためです。
スポットマイクは、そこに各奏者の輪郭を足す役割です。

映像:カメラ10台

有人カメラ1台に加え、固定カメラを複数配置しました。

コンサート収録中のカメラモニターに映るステージ
収録中のカメラモニター。4K・デュアルスロット同時記録で収録した

なお、ホールに吊りマイクの設備があるかどうかは、会場のWEBサイトには載っていないことがほとんどです。
下見または会場担当者への確認が必要になります。
フルハウスでは、ご相談をいただいた段階でこの確認から入ります。

客席を潰さずに撮るための調整

主催者の方に必ずお伝えしていることがあります。

有人カメラは客席を専有します。

公演中、カメラマンが通路に立ち続けることはできません。
消防法で通路の確保が定められているためです。
そのため、カメラと操作スペースの分だけ客席を確保する必要があります。
目安は1組につき横3列×縦2列です。

自主公演では、この席数がそのままチケット収入に響きます。

回避する方法もあります。
客席最後方のさらに後ろにある調整室から撮影できれば、客席を潰さずに済みます。
使用できるかどうかは会場によって異なるため、これも事前確認の対象です。

今回は会場の構造と客席の導線を見たうえで、カメラの位置を決めました。
設置したものの、位置と条件が見合わず、編集段階で使わないと判断したカメラもあります。

本番で起きたこと

本番中、客席から連続した機械音が響く状況が発生しました。

途中入場されたお客様が、酸素吸入器をお使いでした。
客席の最前列付近です。
最後方でカメラを操作していたスタッフにも、はっきり聴こえるほどの音量でした。

観客の方に関わることですから、その場で止めることはできません。
収録側にできるのは、後の工程で対処できる余地を残しておくことです。

結果として、この音は仕上がりではほとんど問題になりませんでした。
吊りマイクとステージマイクを主体にミックスを組み立てることで、客席方向からの音の回り込みを抑えられたためです。

どうしても残ってしまう場合には、ゲネプロ(本番直前の通し稽古)の収録音源から該当箇所を差し替えます。
そのため、本番だけでなくゲネプロも収録しておくのが基本です。

仕上げ:ミキシングと映像編集

収録したデータは自社スタジオに持ち帰り、ミキシングとマスタリングを行いました。
映像編集も自社で担当しています。

仕上げは一度で終わりではありません。
まず調整したものをご確認いただきます。
そのうえで、ご要望をいただいた箇所を調整し、あらためてお渡しする。
このやり取りを重ねて完成させます。

今回も、出演者の皆さまに聴いていただいたうえで、ご要望に沿って細部を調整しました。
気になる音を1箇所取り除くために、まとまった時間をかけた箇所もあります。

穂の国とよはし芸術劇場PLATでピアノを演奏するピアニスト
ピアノは天板の中にマイクを設置し、見た目に影響しない形で収録した

公開:出演者の公式チャンネルで14本

完成した映像は、Voyagers Ensemble の公式YouTubeチャンネルで順次公開されています。
現在14本が公開中です。

その他の楽曲は、Voyagers Ensemble 公式チャンネルでご覧いただけます。

収録の様子は、フルハウス側でも記録映像としてまとめています。

この公演から公開された楽曲のうち2曲は、当サイトでも個別に紹介しています。
A.ラーラ「グラナーダ」
A.モッリコーネ 映画「ニュー シネマ パラダイス」より「もし」

マイクの選定やホールでの配置など、収録の技術的な詳細は、担当したエンジニアのブログでも公開しています。
ホールでのコンサート録音、マイクは何本必要か|実際に10本立てた配置と理由


同じようなご相談について

フルハウスでは、日々この様なコンサートの録音・映像収録も行っています。

規模や予算に決まりはありません。
自主公演の記録、記念コンサート、発表会、ホールでの一度きりの公演。
「こういう内容でも頼めるのか」という段階のご相談で構いません。

会場や編成をお伺いできれば、どのような構成が考えられるかをお伝えします。
お気軽にお尋ねください。

まずはお気軽にお問い合わせください

穂の国とよはし芸術劇場PLATでのVoyagers Ensemble来日コンサート。フルハウスがホール録音・映像収録を担当

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